ダイエットには様々な手法がありますが、多くの人が取り組むのが糖質制限ダイエットとか低炭水化物ダイエットと言われるもの。
効果はあるものの、安易な知識で取組んでしまっても長続きしないものです。短期的に上手くいったとしてもリバウンドするのがオチでしょう。美しい身体を作るためのキモとなる筋肉量や骨量を落すことにもなりかねません。
そこで、もう一段階ふみこんだ知識、効果を得るために必須となる考え方がGI値とGL値をもとにした食生活。
この二つを理解しておけばダイエットの成功により近づくことができるでしょう。また今後の健康食を続けていく上で必ず役立つ知識となります。
ダイエットのトレンドはGI値からGL値へ
ダイエットと言うのは時代により流行りすたりがあるものです。
とはいえ、年々手法は進化しています。中でも一般の人が少し勉強すれば手を出しやすいのが糖質制限ダイエット。さらに踏み込んでGI値・GL値まで理解できれば成功へ近づくことができるでしょう。
GI値(グリセミックインデックス)とは
GI値 | |
高 | 70以上 |
中 | 56~69 |
低 | 55以下 |
摂取後に血糖値の上昇度を表す指数です。食材ごとにGI値には大きなバラツキがあります。
GI値が高いほど短時間で血糖値の上昇が起こります。
食後に血糖値が上昇するとインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンは糖を各細胞へと運ぶ役割をになっています。
各細胞で糖がエネルギーとして利用されない場合は体脂肪として体に貯えられます。
GI値の問題点
GI値は血糖値の上昇度を非常に分かりやすく見える化している指標です。
ところが、一見万能なGI値にも大きな問題があります。
GI値は食品中に含まれる糖がどれくらい血糖値を上げるかを見ています。
穀物の様に糖質がメインの栄養素と果物や野菜の様に糖質が少ししか含まれていないものを同じ基準で比べているのです。
うどんとニンジンはどちらもGI値が80を超えます。
しかし実際の糖質量はうどんは100g中21gが糖質であるのに対して、ニンジンでは100g中9gです。またうどんは一人前で280gありますがニンジンは食べても数十グラムです。
当然うどんの方が血糖値は上がります。
しかもニンジンには食物繊維やビタミン・ミネラルなど糖質意外にも豊富な栄養素が含まれています。特に食物繊維には脂肪の吸着を抑える作用があるので高GIを嫌ってニンジンを避けるのは悪手です。
このようにGI値だけを見ていては本質からそれてしまうことになりかねません。
解決法として考えられたのがGL値となります。
GL値(グリセミックロード)とは
GL値 | |
高 | 20以上 |
中 | 11〜19 |
低 | 10以下 |
GL値とはGI値をもとに実態に基づいた血糖値の上りやすさを示した指標です。
GL値=食材に含まれる糖質の量(g)× GI値 ÷ 100
GL値であれば数値をそのまま参考にして食事を選ぶことができます。難しく考える必要もありません。
GL値の一覧はコチラのサイトがかなり詳しくまとめてくれています。⇒<宇部内科小児科医院>
次章からは実際のダイエットでどのようにGL値が関わってくるのかを説明していきます。
ダイエットで最も大切な考え方
ダイエットで成功するためには、
摂取カロリー < 消費カロリー
が達成されなければなりません。基本となる考え方です。
つまり食べる量よりも動く量を多くすれば、体内の総エネルギーはマイナスになります。体脂肪をエネルギー源として燃焼してくれるのです。
よって、ダイエットでは以下3つの方法があります。
- 摂取カロリー(食事)をおさえる
- 消費カロリー(運動)を増やす
- どちらも行う
ところが、カロリーだけを見てやみくもに取組んだとしてもうまくいかないはずです。食事も運動もうまくバランスをとらなければ体調を悪くする可能性もあります。
大切なのはどのような食事が体脂肪になりやすくて、どうすれば燃焼されやすい状態に持って行けるかです。
それには血糖値を把握することから始める必要があります。
血糖値とは
血糖値とは血液の中に含まれている糖分のこと。
食事中に含まれている糖分が消化吸収されると血液に溶け込み全身をめぐります。
血液中の糖が多いと高血糖、少ないと低血糖と言われます。よって通常は食後の血糖値は高く、空腹時は血糖値が低くなります。
詳しくは厚生労働省のHPにて確認してみてください<厚生労働省e-ヘルスネット>。
血糖値コントロールは体脂肪のコントロール
細かい説明は省きますが、血糖値が一定以上高くなると身体は余分なエネルギーであるとみなします。
結果、糖は脂肪に置換えられて体脂肪として体内に保管されてしまいます。
体脂肪を減らしたいからといって低血糖状態を続けることは大変危険です。
脳が正常に機能しません。筋肉と骨量も減らしてしまいます。体型や姿勢は崩れてしまう可能性は高いでしょう。
ダイエット中の極端な取り組みは避けるべきです。
大切なのは、食後血糖値の急上昇は体脂肪の増加にもつながるというコトです。
そして、血糖値の上がりやすさは食材・食品により違ってきます。
数値で表したものがGI値でありGL値なのです。
GI値やGL値を見れば血糖値の上がりやすさ、すなわち体脂肪になりやすさが分かります。
糖質制限ダイエットにGL値の考えを取り入れるのが最強!
ちまた有効であるとされている糖質制限ダイエットでは『糖質』の量を減らすことにより効率的にダイエットができると言われています。
糖質制限ダイエットでは次のようなメリットがあります。
- ごはん、パン、麺類など主食と言われている食物は糖質がメインの栄養素。
よって制限すれば摂取するカロリーは大きく減る。 - 糖質は血糖値を上昇させる。血糖値の上昇は体脂肪の同化(合成)に大きく関係している
- 血糖値の上昇さえ抑えれば体脂肪を増やす原因が一つなくなる。
糖質制限で大切なのは、単に糖質の量を減らすことではありません。血糖値の上昇を抑えるために食材・食品を選択する事こそがポイントです。
そのためにはGL値を参考にすれば簡単に選ぶことができるのです